オリンピックのエンブレムのパクリ疑惑がありましたが、実際に人々のデザインに対する見方はどうなんだろうか。
お店で売られている商品には、特徴あるデザインが多いです。そのデザインはデザインする人がいてそのデザインに基づいて生産工場で生産されます。
工場が作り上げて、依頼主が払う金額は、工場の原材料と、その製品を作り上げるために必要な人件費、それに、開発費が入っているだけです。
もし、外部のデザイナーがデザインしたもの、外部の依頼者が依頼した場合には、その外部の人件費や開発費が、商品に上乗せされます。
この件について、消費者はどうとらえているのでしょうか。
工場が出してくる値段は原価ではない!
工場で作らせる値段が一着1500円の時に店頭では15000程度で売られるといいます。
この時の原価はいくらになっているのでしょう。
この1500円の中には、材料費に加えて、工場の人件費、時には輸送費など、工場での開発費から依頼者まで配送する費用まで、すべての経費が含まれます。
人件費を取っ払った本当の材料費だけなら、さらにその何分の一にも、なってしまいますが、それだけでは製品は作れません。
一つの製品の仕様が完成するまでには、様々な工程で、開発費がかかってきます。
さらに、ブランド品、もしくはデザイナー品の場合には、そのデザイン料に加えて、工場を持たない会社の開発費、人件費などの経費が掛かってくるのです。
それは、洋服だけではなく、家電製品であっても、半導体であっても同様で、その製品にオリジナリティがあればあるほど、作り上げるにはより多くの人件費、開発費が必要になってきて、その経費が精算されて、ようやく、価格がこなれて安くなるのです。
多く占めてくる経費は、販売のための広告費や、出店のために費用なんですね。
原価率にこだわる人はブランド品を買うべきではない!
そのために、原価がこの金額だから、これくらいの金額が妥当とか、工場から仕入れる値段が、これくらいだから、これくらいの金額が相当などという人は、ブランド品を購入してはいけません。
特に、オリジナルのデザインで商品を作っている人から購入してはいけません。
洋服でも、家電製品でも、安い製品はどこにでもあります。それで十分です。
ただし、家電なども、最近は中国から安い製品がどんどん入ってきていますが、生産管理が行き届いていない工場、もしくは、品質管理ができていない工場もあるので注意が必要かもしれませんb。
洋服など衣料品についても、一般的な海外の工場で作られた場合には品質管理ができていない場合があります。
一方で、高級ブランドは、その品質を一定基準に上げるために、人を現地に派遣して一定水準以下の製品が市場に出回らないようにしています。
ブランド品の材料の原価率も高くはありません。しかし、品質管理をしっかり行うことによってクオリティーを上げ、デザインもオリジナリティーがあるから良いになります。
それを考慮できずに、単に値段が高い、とか、工場の値段と比較すると高すぎるとか言う人は、そうした製品を買ってはいけませんね。
工場がオリジナルブランドを作ることは?
工場はあくまでも作ることの専門です。
工業製品であろうと洋服であろうと、外部から依頼されたノウハウの蓄積で一定水準のものは作ることができます。
しかし、同じデザイン、使用のものを作ることはできないので、クオリティーが落ちることになります。
そのために、工場でオリジナルの製品を作っているところがあり、値段が安いですが、クオリティが落ちていたり、特徴がみられないことが多いんですね。
そんな製品が、日本国内の工場で展開されたり、中国など海外の工場で展開されたりします。
この場合には、工場から直接バイヤーへ出荷されることから、安くなるんですね
しかし、洗練されていないデザインであったり、海外生産の場合には、クオリティーが全く制御されないために、日本人が見ると、問題点ばかりのことが多々あります。
特に、初期不良が見過ごされたまま出荷されたり、洋服でもほつれや、シミなどが付いたものが売られることがあります。
工場直で出した製品には初期不良が一定数含まれるのです。
工場が、そのまま出荷したもの、もしくは、管理が行き届いていないところが出す製品にはありがちなことです。
海外では、欠陥品が一定数含まれることが前提でものが売られるため、同じものでも日本よりも値段が安くなります。
一方で、日本国内の製品は、欠陥の排除作業に人件費がかかるために、ものの値段が高くなりがちです。
まとめ
ものを購入するときにデザインとクオリティを重視する人が多いですが、その値段い対する態度には賛成できないところが多いのです。
その傾向はデザイナーがオリジナルのデザインで作った製品も例外ではありません。
一般的に売られている製品よりもデザインが優れているために人が欲しいと思うものなのに、たくさん普及している製品と比べて、値段に対してはシビアな人が多いのです。
この傾向は、日本人のデザインに対する価値の見方が、問われる問題ではないだろうか。
そして、オリジナリティを理解できない人は、ブランドだったり、デザイン化された製品は買うべきではないのです。
そして、オリンピックのパクリ問題などが発生したのも、オリジナルの価値を日本人が重要視してないことの表れではないのだろうか。