日本政府がセールスをして、資金援助で、外国に新幹線を輸出しようとしていますが、実績は、台湾のみ。
その台湾の新幹線も、ビジネス客には需要があるが、一般の家族連れには、値段の高価なため利用されていないのが現状です。
台湾の新幹線を運行している会社も破産したりと、運行後の顧客の見込みを過剰に見積もりすぎていたなど問題点があるようです。
そんな、新幹線の海外進出についてまとめておきます。
海外で運行、予定されている新幹線は?
台湾
2007年から運行していますが、運営会社の破産等で問題が存在する。政府の資金が入って平常運転は続けているが、運賃が高価なため客足は、当初コンサルタントに見積もったほど出ていない。
タイ
チェンマイとバンコク間の670キロを新幹線で結ぶことが、2015年5月27日にタイ、日本政府間で合意がされる。
インド
ムンバイとアーメダバードの鉄道を新幹線で結ぶことが予定されている。
約500キロを2017年建設開始2023年に開業予定で準備を進めている。
最高時速320キロで2時間7分で2300ルピーで結ぶことを考えている。
この値段は、現在の列車のエアコン付きのファーストクラスより若干高く、
エアコン付きのセカンドクラスの2倍、エアコンがない座席の10倍程度です。
時間は、約10時間かかるところが、約2時間の五分の一程度に短縮されるが、インドでそこまでスピードが必要かはわからないですね。
また、インドは毎年どこかで大洪水が起こって、線路が土砂で埋まったりすることもあります。日本には起こりにくい大災害に対する備えも、工事の金額を上げる要因になるかもしれません。
日本政府は、この資金は、国際協力機構、政府インフラファンド、政府開発援助で資金融資をする予定でいます。
インドネシア
これは先日、白紙撤回されました。
日本からは、工期1年で試験運用期間5年間を想定していて、18年着工2023年に運行開始、総額64兆ルピア(5346億円)を75%を金利0.1%の円借款、で25%をインドネシアが準備することを想定していました。
ちなみに、車で3時間の距離を37分で結ぶことを提案していたのです。
一方で、中国側からは、74兆ルピア(6182億円)、金利2%全額中国が準備し、すぐに着工することで2018年に運行できることを提案していました。
結局は、インドネシア政府の方針が、より安く、そして、インドネシア政府が、負債を負いたくないことから白紙撤回となり、もっと速度の遅い鉄道の提案を待っているようです。
そして、その白紙撤回後に、中国案を採用したことが判明しました。情報の流れがよくわかりませんが、日本案が却下され、中国案で建設が進むことになります。
どちらにしても、これまではより高速な鉄道を求められて、各々、最高速度を競っていましたが、現在は、より安く建設ができて、より安い運賃で利用できる鉄道が望まれ始めているのです。
世界の流行は?
より高性能で、より早く運行できる鉄道は世界では求められていません。実際にヨーロッパなどでも協業する区間で、より格安な車での移動だったり、格安航空が存在しています。乗客は、より安い交通手段を利用できるのです。
そして、インドネシア政府は、政府が責任を負わず、民間経営をすることを望んでいたのです。そんなインドネシア政府の要求を受け入れた中国案が採用されたのは、普通のことなのかもしれませんね。
また、インドでも、タイでも、同じことが考えられます。
日本にはない気候があり、人々の考え方も、他の地域と同じ安い運賃を求めています。
その流れでいくと、より高速で、より高額な新幹線が本当に新興国で必要かは疑問が残りますね。
台湾の事例を考えると、その地域の状況を把握した上で工事を進めないと、大問題が起こりそうな気がします。
インドでは、毎年どこかで大洪水が発生しているのです。
⇒今度は大洪水。南アジアで発生する現象!?インド、パキスタンでの熱波大洪水から 異常な熱波、今度はヨーロッパを襲う。
まとめ
日本国内では、リニア新幹線の調査、工事が始まります。
そして、アジア諸国で日本の新幹線を作ることが合意した地域で工事が始まります。
しかし、世界の流れを見ると、料金が高額になってしまうことが分かっている新幹線が、途上国で受け入れられるのかというのに疑問が湧いてきます。
日本では実績がありますが、全く違う風土と気候の地域で本当に日本のシステムが通用するかは未知数であることが懸念ですね。
最も懸念されることは、コンサルタントによって過剰に見積もられた利用数が本当に達成できるのかということでしょう。
それは台湾での利用実績から、問題点として常に存在するのです。
世界の流れから行くと、需要は少ないです。それは原発と同じことなのです。まして、リニア新幹線の需要はなおさらです。技術的には面白いんですけどね。
⇒リニアライナーの玩具の魅力!現実のリニア新幹線は想定内の問題点が山積み!
また、ISISのテロが発生している状況なので、特に、新興国で日本の新幹線建設している最中や完成後の底をターゲットにしたテロが発生しないとは言えません。
国際情勢を考えると巨大なインフラの輸出事業には懸念が生じてくるのです。
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