2015年の1月にBS朝日の番組収録中に当時12歳のアイドルの少女がヘリウムガスを吸引後5秒後に倒れ、全身けいれんを起こして入院した事故がありました。
病名が「脳空気塞栓症」ということでした。
その内容の説明でどうしても納得できない箇所があったので、ここで書かせてもらいます。
それは、「脳空気塞栓症」がヘリウムガスが血液を通して入ってしまい血液中で気泡となって、その気泡で脳内の欠陥が詰まってしまって発症しするということです。
これを疑問に思う理由としては3点あります。それらを説明して行こうと思います。
ヘリウムは極めて安定な気体である
ヘリウムは希ガスであって他の物質との反応はしません。
万一反応する場合は、核融合反応が伴います。たとえば、太陽の中で起こっている反応です。この高温高圧化で核融合反応します。
しかし、人間の体内で反応することについては疑念が生じます。
だって、ヘリウムは、酸素や窒素よりも水に対する溶解度が低いのです。
通常の空気よりも低い溶解度なのに窒素も酸素も入っている肺の中でヘリウムと酸素が入っている中で、溶解度のより低いヘリウムがたくさん体内に入り込むとは考えられません。
そのことから、ヘリウムではなく他の物質の可能性が予想できます。
潜水障害によっても脳空気塞栓症が発症する
ダイバーが深いところに潜水していて急激に陸上に上がった時に発生することがあります。
発生要因は、海中で圧縮された肺の中の空気が地上に出ることで膨張し、肺の中が高圧縮空気で満たされ、それにより、肺胞が壊れて空気が血液中に侵入します。血液中に多く溶け込んだで空気が血液内で常圧になり、再び、もとの空気になって血液中をめぐりの上達して塞栓するということが考えられます。
これは、高圧化から低圧化に戻るときに問題が生じることですね。
さらに、その症状の治療法に再び高圧化に戻すことや、100%酸素を吸引することのようです。
高圧化にすることで、体内で発生した気泡は、その気圧での溶解度で決められた量まで血液中に溶解することができ、酸素吸入することは、肺の中の酸素の分圧を高くすることになるので、酸素の圧力が高圧状態になります。
このことから、体内に入っていくのは窒素でもヘリウムでもなく、実は酸素だったことが考えられます。
ヘリウムも、窒素もきわめて安定な元素です。
そして、ヘリウムはめったなことでは反応しません。
酸素は血液中でヘモグロビンと結合して体内をめぐる
そこで酸素がこの症状の原因であると予測して考えます。
酸素はヘモグロビンと結びついて体内をめぐる物質です。
各細胞に行き渡り、エネルギーを生じる代わりに二酸化炭素を受け取ります。
そのために、血液中では、通常の水よりも酸素の溶解度は高いものであると推定できます。
高圧化ではその量も高くなります。
このアイドルの場合、酸素20%入りのヘリウムガスを吸い込んで、肺の中で高圧の状況下に陥りました。
肺胞がつぶれ、血液に接しやすくなった酸素が大量に血液中に侵入し、体内の他の場所で常圧に戻ることで気体の酸素の粒が形成されそれが塞栓の原因になったのではないだろうか。
このように想定すると、納得できるのです。
まとめ
私は、この報道を聞いて、ずっともやもやしていました。
なぜ安定なヘリウムが血液中の溶けて運ばれるのか。
これを酸素と置き換えて考えることで納得いきました。
低温で高圧化にすることで物質の反応速度は上がります。
今回の脳空気塞栓症が起こった原因は大量の酸素が体内に入ってしまったからではないでしょうか。
ちょっと疑問が出てきますが、過呼吸状態ではどうなるのだろうか?これについてはまたの機会に書きたいと思います。