最近になって日本企業のM&Aが加速しているように感じられます。株高になって、円安になることによって、金融業界や輸出を中心にしている企業の業績が回復しているようです。
今回は最近発生したM&Aの案件を見ていきます。
どんな企業がM&Aをしているのか
金融業界では?
明治安田生命の、アメリカのスタンコープ・ファイナンシャル・グループを49億9700万ドルでの買収
東京海上ホールディングスのアメリカの証券会社のランス・ホールディングスを9400億円で買収
物流業界では?
日本郵政グループによるオーストラリアの物流大手のトール・ホールディングスを約6000億円で買収
鉄道エクスプレスがシンガポールの物流会社APLロジスティクスを約1500億円で買収
エンターテインメントでは?
コムキャストが、USJの株式の51%を15億ドルで取得
日経新聞社による英国のフィナンシャル・タイムズ・グループの約1600億円での買収
フィナンシャル・タイムズの利益の35倍であることが懸念点。
鉄道業界では?
日立製作所がイタリアの国営航空宇宙・防衛企業グループのフィンメカニカ傘下の鉄道関連会社の車両事業会社のアンドブレダと信号会社アンサルドSTSを約2600億円で買収
日立のこれまでの売り上げは1700億円、今回の買収した会社を併せた売り上げは4000億円と他のビック3の8000億円と2倍の隔たりがまだ存在している。
ちなみに欧州の鉄道のビッグ3は
- 加 ボルバルディア
- 独 シーメンス
- 仏 アルストム
半導体業界では?
Infineon TechnologiesがInternational Rectifier社を買収
NXP SemiconductorsがFreescale Semiconductorを買収
汎用米航路コントローラーと無線通信技術の強化のため
IntelがAlteraを167億円で買収
FPGAデバイス技術獲得のため、データセンター向けとIoT向けプロセッサー向け
ロームがアイルランドのPowervationを約7千万ドルで買収
デジタル電源制御LSIの開発会社のファブレスの会社で高鮮度のリアルタイム自動補正技術を持つシステム電源に関する独自技術を持っている会社であり、ロームは、アナログ方式の制御技術を得意とするため、アナログ、デジタル両方の強みが発揮できるようになる。
M&Aによってどういうメリットがあるのか?
日本の社会にはM&Aにはよくないイメージがつきまとっているかもしれませんが、M&Aはビジネスの手法の一つで、自社が持っていなかったノウハウや、知識をお金で取得できるメリットがあります。
日本企業のM&Aを見ると、同じ業界の合併のために同じことをやっている部門が複数できることによって、それぞれが独立したものとして存在し続けることによって、無駄が生じているようですが、上記のM&Aを見ると、それぞれが自社にとって必要な部分を補える会社が取得しているように感じられます。
つまり、M&Aのメリットは、自社の持っていないノウハウや知識を得られること、デメリットは重複した部門が立ち並ぶことで、うまく融合できずに不採算事業になりかねないということです。
今の時期のM&Aを見ていると、確かに、日本企業の業績は円安や株高の影響で回復しているように見えますが、円安のために、海外の会社の買収金額が、円高の時期に比べて割高になっているように感じられます。
単純にこの時期の買収については、割高になった買収によって企業体力が失われはしないか懸念が生じますね。
まとめ
最近の企業買収を見てきましたが、日本企業が海外展開を進めていることが分かります。
今の時期に海外の会社をM&Aするには、円安なので割高な感じがしますが、ビジネスをよりグローバルに展開していかなければいけないということがよくわかる事例です。
そして、私たち一人一人もグローバルに活躍できるようになっていかなければいけませんね。
英語は使えて当たり前の時代になっていくのです。