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ギリシャが支援のためのEUからの条件をほぼ合意した。

EUからの改革案が国民投票以前と変わっているとは考えにくいです。それにもかかわらず最終的にギリシャが妥協しました。

このタイミングで状況を整理しようと思います。

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EUの改革案とはなんだったのか?

ギリシャ側の要求は、支援額が大きくなること、債権の額を減らすこと、緊縮策を緩和することなどを望んでいました。

EU側としては、EUから離脱すること、今まで通りの支援策に加え、緊縮策を法制度化して、やりぬくことをギリシャ側に要求していました。それに加えて、国民投票後に加わったことがあるのかもしれません。

その中で、EUからの離脱はなくなりました。

ギリシャ側は国民投票により政府が信任を得ていました。そのために強気に交渉に臨みました。しかし、交渉が決裂しないことを最優先の課題として、この交渉に臨んでいたのです。

EU側の代表は、それぞれの立場からギリシャのEUからの離脱を考えるもの、離脱をさせないように考えるものの両者の方針を一つにすることができないままこの交渉に臨みました。

交渉の場には、ギリシャがEUから離脱しないことを最優先に考える人の方が多かったための離脱の案は削除され、そのほかの条件についてはほぼごいうに至ったようです。

ギリシャの国民投票はなんだったのか?

国民投票の論点はなんだったのだろうか。

ギリシャの国民投票で「YES」を主張していた人は、EU提案の受け入れを表明していました。チプラス政権は「NO」を表明しEU提案の受け入れを拒否するように提案していました。

改革案の合意内容は、ほぼEUからの提案です。ギリシャ側からの提案は拒否されたままでギリシャ側が妥協して受け入れた形に終わっています。

これは想像になってしまうが、国民投票をすることで国民に責任の一端を担わせることにし、より厳しい緊縮財政になったとしても国民からの批判を避けることみこして、ギリシャ政府は国民投票を行ったのではないかと考えてしまう。

それは、ギリシャ国内が、過去5年間の経済状況の悪化で国民の間で不満がたまっていたことを緩和させる意図があったのかもしれない。

ギリシャ政府がEUから離脱をすることを考えていなかったことからも、誕生したばかりのギリシャの新政権が国民の支持とEUとの関係の両方をうまくコントロールするために国民投票を行ったのではないか。

今後どういった展開になるのか?

ギリシャはEUから提示された緊縮策の
法制度の整備を今月15日までに行うことになります。

これがEUが財政援助をする条件であり、制定されなければ金融支援は得られません。

まとめ

ギリシャ国内では2週間近く銀行業務が停止しており、国民投票でEU提案に反対したギリシャ国民の中にEUからの銀行支援を望む人が多いはずです。

EUからの離脱はギリシャのみでなく、世界各国への株価の影響となって現れる可能性が高く、ギリシャがEU側が妥協すると踏んだ切り札でしょう。

現実には、この交渉ではEU側の意見が全面的に通ったわけですが、ギリシャ政府にとっては国民にギリシャがどんな状況なのかを伝えることが一番の狙いだったのかもしれませんね。

ギリシャ政府にとっては、国民に状況を把握させることができたということについては有益だったのかもしれないです。

しかし、この状況を作ったのはギリシャ政府のずさんな財政管理だったのです。

そして、ドイツのメルケル首相は、EUからの離脱の提案を取り下げて妥協しているように見せる交渉手腕はなんというか、他のEU加盟国も躊躇する提案を最後まで取っておいたのです。