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バターとマーガリンは同じように見える食品で、用途も同じように用いられます。どのように違っているのか調べてみました。

 

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歴史

バターの歴史

紀元前2000年のインドですでに存在していたという文献が残っています。その当時は、治療薬として用いられていたということです。インドでは、牛は神様と崇められています。

 

そして、人々はその乳を飲むことは体を清めることになるとして信じています。その神の恵みのミルクから抽出した固体物質を薬として用いるのはごく当たり前のことととらえていたのでしょうね。

 

日常的には食べられるようになったのは紀元前60年ほどです。

 

マーガリンの歴史

1869年のフランスでプロシアと戦っていた戦争中の考案されました。その当時、バターが不足したため公募で代替品を募集したところ、化学者であったメージェ・ムーリエが牛の油と牛乳を混ぜて冷やして固めたものを提案し採用されたことが始まりとされています。

 

マーガリンの名称はギリシャ語のバターの意味であるマーガライトから来ています。

 

定義

バターの定義(厚生労働省令)

バターは、牛乳などから脂肪粒を取り出したもので乳脂肪分が80.0%以上のもの。

 

マーガリンの定義(日本農林規格)

油脂含有率が80%以上のものもの。

 

調整マーガリンの定義

油脂含有量が75%以上80%未満のもの

 

ファットスプレット

油脂含有率が75%未満のもので、風味原料を加えたもの。

 

原料

同じように見える製品のバターとマーガリンですが、その製造原料は全く異なります。

 

バターの原料

牛乳です。

 

マーガリンの原料

食物油です。

 

製造プロセス

バターの製造プロセス

脂質分を分離することで、脂質分を牛乳から取り出します。

 

マーガリンの製造プロセス

液体の油の不飽和の部分を水素化することによって、飽和化し融点を上げることで固形化します。後者のマーガリンは化学反応によって物質の性質を変えています。

 

その後、固形化した油脂を乳化剤、ビタミンA、香料、着色料、食塩などと混ぜて、色形香りを整えて作られます。

 

その後者の製造プロセスにおいて、トランス型の不飽和脂肪酸が発生します。

 

トランス脂肪酸の危険性と対策

日本では、このトランス脂肪酸を食品ラベルに記載する必要がないため、多くの人の目に触れることはあまりありません。

 

そのために、不飽和脂肪酸が使われていないと勘違いする可能性が高くなっています。

 

実際には、お菓子をはじめ様々な食品の形を整えるため風味を増すためなど様々な用途に用いられています。

 

この物質が、心臓病、脳梗塞を引き起こす可能性があるとして諸外国では禁止に向け動いています。

 

上記のことを考慮に入れると、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸を含む食品を食べるのを控えた方がよいでしょう。

 

アメリカでは、先日(6月16日)、FDAが3年以内に人工的に作ったトランス脂肪酸の撤廃を食品メーカーに依頼しました。

 

肉の中にもトランス脂肪酸が含まれているので、人工的に作られたものを禁止することによって人が口から入れるトランス脂肪酸の総量をなるべく少なくするための措置です。

 

トランス脂肪酸の消費量を少なくするためには、一人一人注意を払うことが健康的な生活を送る最善の手段です。