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中国の天津で爆発事故があり多くの人が
亡くなっている事件が発生しました。

非常に大きな被害が出ているようで
大変悲しい事件です。

さて、報道によるとシアン化ナトリウムが
問題物質であるようになされていますが

何が問題だったのか考えてみることにします。

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MSDSから読み取るシアン化ナトリウム

MSDSはその化学薬品を取り扱うために必要な
情報がすべて書かれている製品説明書で
使用者はその指示に従わなければならないものです。

そして、一般に企業ではそのMSDSの支持を
徹底するための十分な知識を持った管理者を設ける必要があります。

日本では安全管理教育を受けて資格を取る必要がありますね。

こうした管理は世界共通で、発展途上国だからといって
例外ではありません。

そのMSDSによるとシアン化ナトリウムは水に
溶ける物質で、毒性はありますがそれのみでは
爆発しません。

MSDSには、特定の条件下では爆発することが
示されていて、硝酸塩や塩化物等の酸化剤と
接触することによって爆発することが
明記されています。

シアン化ナトリウム自体は普通の工場で
使われる化学物質ですね。

シアン化ナトリウムの使用用途は?

報道から読み取ると、この爆発のあった中国の
工場では、車の生産をしているようになっています。

それから考えると、シアン化ナトリウムは車の
車体の金属にメッキを施すための溶液として
用いられていたように思います。

シアン化ナトリウムはメッキの溶媒の一つとして
普通に使われるものです。

その他には、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸
クエン酸、などもメッキ液を構成する薬剤として
使われます。

では何が起こったのか?

ここからは、あくまで想像なのですが、

大量のシアン化ナトリウムを保存していたということと
他のメッキ液の溶媒に、硝酸、塩酸などもあることから
シアン化ナトリウムと爆発的な反応を示す物質が

同じ倉庫、もしくは、近くに保管されていた可能背が考えられます。

そして、何かのはずみで、シアン化ナトリウムと爆発的な
反応を起こす酸化剤が、接触してしまい

爆発が発生し、消防隊員が消火作業で水を
掛けることによって、さらに拡散して

シアン化ナトリウムと接触する酸化剤の
量が増えてしまい、

大きなクレーターができるほど爆発が
発生したのではないかと思ってしまいます。

ちなみに濃硝酸などに水を加えると激しく熱を発するので
濃硝酸を薄めたい場合には、大量の水に濃硝酸を
加えるようにします。

他の濃い酸でも消防車で水をかけたりしたら危険ですね。

通常はどんな管理がなされるのか?

十分な知識を持った作業管理者の責任で
管理が行われなければならず、保管場所については、
密閉空間なのかどうか、局所排気が
あるのか、排水施設はきちんとしているかなど

どこの国でも管理が行われているはずですね。

もちろん、爆発の可能性のある物質同士が
接触しないようにしなければなりません。

まとめ

今回報道されている情報をもとに現状を
理解しようと努めましたが、

この工場での管理体制の不備がこのような
大災害、大爆発をもたらしたように感じます。

もちろん、まだ報道に出ていない公表できない
物質がそこにあるのなら、

別のストーリーになってきます。

今回は現時点で得られる情報から考えてみました、

結論は、工場の未熟な管理体制が招いた
大災害だったのかなあという印象です。

つまり日本でよくある化学工場の爆発事故の
でかいバージョンのような印象ですね。