「サンゴって温暖化が進むとどうなるの?」
「寒いところに移動するとどうなるの?」
そんな疑問に答えられそうな研究結果があったのです。
研究者によると、特定の種のサンゴは気候変動の影響を受けない可能性があり、その耐寒性のDNAは次世代へと受け継がれるということです。
サンゴの耐寒性の根拠となる研究
その根拠の一つとなり得る実験がオーストラリアのサンゴ礁で有名なグレートバリアリーフで異なった水温で生息するサンゴを用いて行われた実験です。
緯度が異なり水温が異なる2か所のサンゴをより高温の海水で生息させたところ、低緯度の高温の海水で育ったサンゴの方が低い海水で育ったサンゴよりも、10倍長く生存したのです。
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その考察は?
従来は、生物が異なった環境に適用するためには突然変異で、その環境に耐えうる遺伝子を持つ個体の誕生を待つのが有力な理論でした。今回のこの発見が、急激な気候の変化にもサンゴの種や育った環境により耐えうるものが存在する可能性があることが分かったのです。
これまでの理論から行くと、地球温暖化で海水の温度が上がってしまった場合、サンゴ礁が死滅してしまうことが考えられました。
また、サンゴ礁の保護のためにの他の地域への移植は、地域間の海水温の違いによってサンゴが生存できない可能性が高かったり、人間が行うことで、サンゴ礁が有害なウィルスなどに感染させたり、発生させてしまう可能性があるため実施されずにいたのです。
この実験結果がこれまでとの認識とは異なることから気候変動のために死滅する懸念のあるサンゴを他の生存が可能な地域へ繁殖させる可能性が開けたともいえるのでしょうね。温暖化で海水温が上がってもサンゴが死滅せずに生き残ることができる可能性があることが分かったことが有意義なことです。
これからも実証事件が行われて、温暖化した際のサンゴ礁の保護のために役立っていくのでしょうね。
日本の状況は?
日本では、沖縄県でサンゴ破壊が問題となっています。サンゴ礁は、その海域の生態系を形成している基本的な存在です。
なくなれば全く異なった生態系が生まれ現在の技術では完全に元に戻すことはできません。破壊するにしても、保護するにしても、サンゴ生息状況の評価と検証事件はきちんとしてもらいたいものです。
環境の破壊活動によって絶滅の危機に瀕する動植物が存在します。地球上で、今が6度目の大規模な絶滅の危機に瀕している時代であるとも言われているのです。
地球の歴史から行くと、サンゴ礁の破壊は一瞬で行われることになるのだから壊さないで保護してもらいたいですね。