日本では、あまり問題視していない海水面の上昇ですが海外では深刻に考えている国があります。
その国の一つがアメリカです。
アメリカの経済の中心のニューヨーク、ハドソン川と大西洋に面したこの地域で、近年になって大洪水に襲われる頻度が増えているということが分かってきたのです。
海水面の上昇によって引き起こされる洪水
近年になり、たくさんのハリケーンとともに洪水が引き起こされるアメリカで、ニューヨーク市において、海水面と洪水との関係を調べた調査が行われました。
PNASオンラインにのっている論文です。
その調査は、海水面と洪水の関係を、西暦850~1800年までと、西暦1970年から2005年の二つに分けて、洪水の発生頻度を調査したのです。
その結果、1970年から2005年の間の強力なサイクロンの発生頻度が、850年から1800年までよりも大幅に高くなっていることと、850年から1800年では、2.25mの海面上昇を伴った大洪水が、500年おきに起きていたのに対して、1970年から2005年では24年ごとに大洪水が発生していたことが分かったのです。
850年から1800年までの間も、海水面は氷河や北極の氷が溶けるなどで上昇したりしていましたが、近年では、人の活動が面が原因として、平均して2ミリメートルずつ海水面が上昇しているのです。
さらに、強力なハリケーンの到来回数も変化しています。数世紀前には3000年に一度といわれていた強大なハリケーンの到来が、近年では130年に一度になり、強力なハリケーンが来た際の低い気圧によって、海水面が上昇し、甚大な被害が出てしまったのです。
3年前のハリケーンSandyによる経験から
強力なハリケーンが3年前にアメリカ東部を襲いました。そのハリケーンが130年に一度の強力なハリケーンと言われているものです。
このまま温暖化が進むと、さらに海水面が上昇し、強力なハリケーンの発生頻度もさらに、上がることが予想され、その強力なハリケーンの発生頻度が短くなることが予測されているのです。
それもあり、温暖化抑制のために、アメリカ企業も積極的に再生可能エネルギーの導入など、温暖化対策を行っているのです。
一方で日本の場合は?
日本には海水面の上昇に対する危機感はほとんど見られません。
確認できた資料だと、およそ140年前からの海水面の資料があります。およそ70年周期で変動して、今がちょうど最も海水面が高い状態になっているのです。
この周期的に潮位が変動している現象が起こっているのは、水が温められると膨張することから、冷たい寒流が日本列島を巡っていること、そして、それが周期性を持っていることによって、温暖化の影響を海水面が受けて無いように見えるのではないだろうか?
しかし、北極の氷が近年では毎年過去最低の厚さを更新する状況です。海水量は増えていて、温暖化が進み地球の平均気温も上昇しています。加えて海水温も上昇しています。
アメリカのように、これまでの記録以上に海水面が上がることも、津波でなくても、台風の到来で堤防を乗り越える海水が出てくることは否定できないでしょう。
まとめ
日本では、深刻にとらえていない地球温暖化による海水面の上昇ですが、アメリカでは、多くの人が住むマンハッタンで重大な問題の一つとしてとらえられています。
海水面の上昇によって、北極の氷が溶けて海面が上昇すること、海水が暖かくなって膨張すること、そして、ハリケーンなど強力な低気圧で海水面が上がること、それらによって、大洪水が発生しました。
3年前に現実的に起きたことで、アメリカも温暖化対策への関心が高まっています。
そして、東北大震災で原発が爆発して甚大な被害になってしまったことから、地球を温暖化しないリニューワブルエネルギーに注目が集まっているのです。
原発は海水を温めて発電する設備であるため、地球温暖化を推進する発電方法です。二酸化炭素は核分裂反応からは出ませんが、半分以上のエネルギーは海水を温めるのに使われ、放射能をまき散らされます。
それを考えると、おのずと世界がどう進んでいくのか分かってきます。