土用の丑の日に食べる習慣で人気のあるウナギ。
これって単なる宣伝だったのです。
江戸時代に夏にウナギが売れなくて困ったウナギ業者が知恵者の平賀源内から助言を受け、土用の丑の日のウナギとして旗を作り掲げたところ売り上げが上がったので、土用の丑の日に食べる習慣が全国に広まったようです。
つまり、売り上げを上げるための手段であってこの当時は健康効果については知られていなかったのです。
今回はそんなウナギの健康効果と懸念されているウナギ資源について考えてみます。
食品としてウナギ栄養価
ウナギは思ったよりカロリー食品
ウナギは油がのっていて見た目はすごくカロリーが高く見えますね。だけど、実際は、それほど高くはありません。
同じ重さの、牛肉と比べると3分の2から程度とカロリーは高くはありません。そして豚肉よりも低いのです。
そのために、体重増加を気にしてカロリーを抑えようと思っている方でも安心して食べることができるのです。
様々な栄養素を持つウナギ
ウナギの栄養素でよく知らているのはビタミンBです。
このビタミンが含まれることで夏バテに対して効果があるといわれています。
それだけではありません。
ウナギは高たんぱく質、ビタミンやミネラルが豊富な食品なのです。
具体的な栄養素としては、ビタミンA,ビタミンB1,B2,、ビタミンE、コラーゲンなどです。
さらに、不飽和脂肪酸で血液をさらされにするといわれるDHA(ドコサヘキサエン酸)や動脈硬化や脳梗塞の発病を防ぐと言われるEPA(エイコサペンタエン酸)がたくさん含まれているのです。
それにより、老化防止や美容効果の高い食品としても知られています。
ただしビタミンCが含まれていないので、フルーツなど、この栄養素を補える食品は同時に食べておきたいものです。
絶滅危惧種に指定されたウナギ
様々な栄養素を持ち健康効果も高いウナギですが、日本ウナギは絶滅危惧種に指定されています。
日本の主要河川へのダムの建設や、河川の整備、そして工場排水の河川への流入などで、ウナギの住処はどんどん減少しています。
それに加えて、日本人の食習慣によってウナギが毎年大量に消費されます。
そのために、昨年度(2014年)に、日本ウナギが絶滅危惧種に指定されました。
このままですと確実に絶滅するものなのです。
ウナギの入手経路と養殖の実情
海外進出するウナギ業者
ウナギの稚魚であるシラスは、以前は中国などからの輸入に頼ってきていましたが、中国でも、その生産量が少なくなってきています。
そのため、新たな入手場所として、ウナギ業者は東南アジア諸国に進出しているようです。
また同時に、現地へ養殖技術を移転することにより現地でウナギのかば焼きを生産する体制も整ってきています。
現在では、このように海外進出が盛んに行われていますが、どの地域でも、大量にウナギの稚魚を確保してしまうため次々と絶滅危惧種への登録が進むことが今後起こり得ることです。
養殖の実情
ウナギの養殖には大きな問題点があります。広い養殖場所が必要であることと大量に養殖する場合に大きくなるまで生きている割合が極めて低いことが大きな問題点となって完全養殖をして商業利用するためには、多くの課題が残されています。
そのために、ウナギの価格の高騰と品薄感はこれからも続くのです。
まとめ
ウナギについてみてきました。ウナギは非常に栄養価が高い食品で日本人にはなじみの深いものです。
しかし、それだけ食べられる量が多いため、日本ウナギは絶滅危惧種に指定され
日本企業が海外進出して稚魚を入手することで、その地域の資源量も少なくなる懸念が出ています。
完全養殖にはまだ課題が多く、ウナギ資源の枯渇が心配されいるのです。
今回はウナギについて様々な角度から考えてきました。
このような事例は探すとたくさん見つかるのでしょう。私たちの身の回りには、このようなものがたくさんあるのです。
色々考えさせられることですね。