今年は台風がたくさん来ているような気がしますね。
そして来週も台風15号が日本列島を縦断しそうな
進路になってきました。
以前の投稿で台風11号12号と絡めてエルニーニョ現象を考えました。
今年の台風の発生している場所が毎回、同じようなところになって
それが海水温に影響していそうなことを結論にしました。
そして、今回は、その海水温がどんなところで
台風が発生しやすいのか海水温のデータを確認してみました。
ちょっと意外な発見もあったのでまとめておきますね。
台風15号と16号の発生していた場所は?
台風15号は8月14日に熱帯低気圧になって15日に台風になりました。
そして、台風16号は8月14日に熱帯低気圧になって15日に台風となって、
どちらも同じ日に台風になりました。
そして、台風の発生場所と、海水温の分布をみてみると、
特徴的な場所であることがわかります。
![台風15号16号の発生個所と海水温の関係](https://adaybreak.info/wp-content/uploads/2015/08/15-aug-typhoon-generation-and-temp-of-ocean.jpg)
この図は、8月15日の水深100メートルの場所の海水温の分布です。
熱帯低気圧になる前に熱帯優乱が発生しますが、台風の発生位置が
極端に海水温が低い位置の近くで発生しています。
そして、その後の進路においては、海水温が高い位置で台風の勢力が
拡大して、海水温が低い海域では台風の勢力が弱くなっていいきます。
![台風の進路と海水温](https://adaybreak.info/wp-content/uploads/2015/08/typoon-position-and-temp-of.jpg)
この図は、8月15日から21日までの海水温の分布に
台風の位置を乗せたものです。
ちなみに、台風15号の勢力はほぼ同じ低力を保ったまま
日本列島に近づいてきます。
そして、この図の赤い部分に台風がある時に
急速に台風が発達します。
海水温分布から分かったこと
台風の発生個所が、海水温が低くなっているところと高い部分の
気温差が大きいところ、もしくは、海水温が低いところで
発生しています。
また、台風の勢力が急速に発達するのは、
水深100メートルの温度が25度以上であることが
分かりますね。
一般には海水温が28度以上のところで
台風の勢力が発達することが知られています。
これは、単純に海水温が高ければ台風が
たくさん発生するのではなく、
暖かい海水に囲まれた、冷たい海域が安定的にあり、
海水温の気温差が生じるところで発生しやすいと
言えるのでは?
そして海水温の差が気流を作り水平に吹くことによって
台風の目となるものが形成されそれが発達して
台風になるというメカニズムが考えらるのでは?
今年のほかの台風は?9号10号11号の3つの台風は?
今年発生した特徴的な台風の9号10号11号も調べてみました。
![台風9号10号11号の発生場所と海水温の関係](https://adaybreak.info/wp-content/uploads/2015/08/9-10-11-typhoon-and-temp-of.jpg)
この図は、台風9号10号11号の発生場所の海水温の分布を確認したものです。
15号16号と同じような、低温領域もしくは、温度等高線の
傾きが大きいところで台風が発生していますね。
今年の台風はほかのものも同じ傾向のようです。
もちろんこれがすべてではないですが、台風の発生する場所は
海水温の分布が大きく影響していそうですね。
何故100メートルを選んだのか?
![2013年から15年までの各水深と海水温の関係](https://adaybreak.info/wp-content/uploads/2015/08/depth-and-temp-of-ocean-rel.jpg)
この図は、2013年から2015年の7月の水深と温度分布の関係を見たものです。
各年で、水深が50メートルの部分と200メートル以上の部分の温度分布の違いは
分かりずらいですが、水深が100メートルの部分には特徴的な
部分がわかります。
特に去年の7月から、台風が発生した領域での100メートルの箇所で
水温の分布が特徴が出てきています。
そのために、台風との関係を調べるために水深が200メートルの
部分を使えそうなのです。
しかし、なぜ、100メートル付近でこのような特徴的な
海水温の分布が得られるのかはわかりませんね。
後水深50メートルの部分も詳細を分析したら
きちんとわかるのかもしれませんね。
そして、この現象はエルニーニョの影響でしょうが、
何に起因して海水温の差が現れるかはわかりませんね。
⇒2015年から2016年にかけての観測史上最大のエルニーニョ現象が世界を襲う
台風と海水温のまとめ
台風の発生場所と海水温に着目してデータをまとめて解釈してみました。
分かったことが、
今年の台風は、水深100メートルの海水温が、高い海水温で囲まれた低い海水温のあるところの
周辺で台風が発生していることと、
特に海水温が25度以上のところで台風が発達するということです。
単純に海水温が高ければ台風が発生するわけではないということです。
そのことから考えると、今年に特徴的な赤道よりちょっと上のところで
台風が発生しやすい帯ができていて、その海水温が極端に
冷たくなるところを中心に台風の目となる気流が
発生して台風ができるのですね。
また、この時に上昇気流の発生の際に温度差によりスピード差ができ
このスピード差があることと、地球の時点からコリオリ力が
働き、渦を巻いた雲の渦巻きが発生するのでしょう。
ちょうどお風呂の水を抜いた時の渦と同じ方向に
なるのです。
台風が発生後に、日本や、アジアの諸地域まで距離がかなりあるために、
そして、周りが暖かい海水温であるために、強力な台風に
発達しやすくなっていると考えられます。
そして、この低温の海水の吹き出し口がたくさんあることが
多数の台風が同時に発生することにつながるのです。
昨年も大きな台風がたくさんやってきました。
昨年と同じような海水温の配置のため今年も
強力な台風が発生しやすいのですね。