「ゆとり教育のよって学力が下がっていることが問題だ」
ということが言われてるようですね。そして小中学校の授業時間が増えてきました。
本当にゆとり教育が問題だったのか、そもそも以前の教育と教育現場、家庭環境ともに同じではないはずなのに問題視している現状について考えてみることにしました。
ゆとり教育の導入による問題点?
ゆとり教育でクローズアップされるのは学校での授業時間ですね。
毎日の授業時間が減り土曜日の授業がなくなり完全週休2日になったことが問題に挙げられるのです。
ゆとり教育を導入した目的は学校以外の時間で生徒が自主的に課外活動に取り組むことで学校の授業とは違う知識や特技を延ばすことにあったと思うのですが・・・
結局は、学校での勉強時間のみが問題に挙げられることになっているようです。
この時点で全く論点がずれていっているように感じます。
授業時間が多い以前の状態は適切だったのでしょうか?
授業時間が多かった時期の学校での学習は適切な学習だったのでしょうか。
特に、小中学校では、すべての生徒が同じ授業を受けています。
習熟度が速い生徒も遅い生徒も一緒に授業を受けることから教師は遅い生徒に合わせて授業を勧める必要が出てきます。
このスピードで授業を行っていては習熟度の速い生徒の学習時間を奪うことになりますね。
学校の時間は平等に与えられますが実際に同じ知識量にを得るのに必要とされる時間は生徒それぞれで異なります。
一律で、授業時間を増やしたり減らしたりといったやり方では人によっては時間の無駄になってしまうのです。
その点で、学力低下が言われるのは単純に学習時間の問題ではないのです。
どんな状態が良いのだろうか?
生徒それぞれの能力は異なっています。
そして、それぞれの家庭によって教育の方針は全く異なります。
すべてを学校教育の現場で賄うことはもともと不可能なのです。
義務教育のメリットもデメリットも、同じように教育をすべての人に施すことであるのです。
そのために、応用力や特技を伸ばすためには、義務教育から離れた場所が必要になってきます。
様々な児童の特色合わせた課外活動が必要であって、そのサポートをする環境が必要なのです。
ゆとり世代の学力不足が問題となっていますが、問題となるべきは、学校教育以外の場所で児童の特技を伸ばすための環境を作ってサポートすることができなかったことが問題だったように感じますね。
学校での一律の教育内容で授業時間をいくら増やしたところでみなと同じ教育しか受けられないです。
同じ考え方、同じ学習レベルの人を育てるためには良いのかもしれませんが社会では様々な考え方を持つ人が必要です。
人それぞれ得意分野が違います。
学校での一律の教育では特定の分野の教師の確保の問題が生じたり、学校の教師の負担が増えるだけです。
それは、政府、地域がサポートして学校外での教育環境を作り上げることが必要です。
親が子供をサポートしなくてもそうした学習の機会を供給できるシステムが必要でしょう。
配偶者を働くように促す国の方針からも教育についてきちんと考えて政策を決めているようには思えませんね。
⇒日本の英語教育はどこに向かうのか?どこか中途半端な英語教育方針
まとめ
ゆとり教育について見てきました。
問題なのは、学校での教育時間ではなくて、多くの人に同じ教育を同じ時間だけ義務付けるという教育スタイルにあるように感じますね。
授業時間を延ばすだけでは人とは違うスキルや、知識を持った人を作ることはできません。
ゆとり教育で学習時間が減ったとしても、良い大学に入るためには、効率の良い勉強をしなければいけません。
難関大学への進学の難易度は今も昔も変わらないのでは?
それよりも、学校教育では身につかない知識やスキルを得るための学習機会の充実や習い事などの充実ができなかったことがゆとり教育の導入の失敗だったといえるように思います。
学校の授業時間が少なくなったといってすべての人が習い事をするわけではないのです。
子供の教育として何が良いのかきちんと議論がなされていなかったこと専門家の意見がうまく反映されなかったこと政府主導で、教育改革を行ったばっかりに実情を反映した改革案が、教育方針に盛り込めなかったことが良くなかったのです。
文科省は、国立大学に文科系の学部の廃止を打診しています。
これは国の教育の方針を決定する機関が偏った考え方を持っていることの証拠に感じます。
多くの公務員が文科系学部出身者であるし多くの経営者が文科系の学部から排出されているのです。
ゆとり教育の問題点は、現実とはずれた文科省の判断とその政策にあるように感じています。
そして教育方針の失敗はどの時代にでも起こり得ることです。
それを補うために、私たちは、お子さん本人の意思を確認してサポートする必要があるでしょうね。
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