今年は、7月に台風が3個同時に発生してトリプル台風なんて言われてますね。
そして、前回トリプル台風が発生したのは2002年。この時も、エルニーニョ現象が起きていました。そして、この時は冷夏でした。今年も冷夏なのかはわかりませんが、2002年と共通点が多いです。
今回は、その大きな共通点のエルニーニョ現象について考えてみます。
⇒2015年から2016年にかけての観測史上最大のエルニーニョ現象
エルニーニョ現象とは何か?
定義
エルニーニョ現象は、日付変更線からアメリカ大陸に渡った領域の赤道直下から、南米にかけての海水温が平均値よりも高くなっていることが半年から1年以上続く現象。
起こり得ること
この海水温が高いことによって、太平洋の逆の位置にあたる西側、すなわち、日本からインドネシアにかけての領域は通常よりも低い海水温になります。
そして、通常では、西太平洋で暖かい水温の領域が東側に移ることで、その領域において積乱雲が多く発生して今年は台風がその領域で発生していることが考えられます。
日本への影響
西大西洋の海水温が低いことから、その付近の気温が平年と比べて低くなる傾向があり、今年の日本の夏は冷夏になると予想されているのです。
さらに、気温が上がらないのは太平洋高気圧の中心が南に位置することであるので、これが影響し梅雨明けも遅れる可能性があります。
ラニーニャ現象とは何か?
定義
エルニーニョ現象と逆の現象で、同じ領域の海水温が平均値よりも低い状態が半年から1年以上にわたって発生している現象。
その影響は?
南米付近の海水温が低いことから東太平洋では平均値よりも高い海水温になります。そして、その海水が暖かい領域で、積乱雲などが頻繁に発生することになります。
日本への影響は?
そのため、太平洋高気圧の張り出しが活発になり早い梅雨明けや長期にわたった残暑が残る可能性があります。
どうして発生の理由がはっきりと分からないのか
エルニーニョ現象が大体5年おきぐらいに発生していてその間にラニーニャ現象が発生するというサイクルを繰り返しています。
そのため、何かの周期を伴ってそれらが発生していると考えられますが、その周期をコントロールする要因は様々な理論が提唱されていますが、完全にはわかっていません。
現象の指標となるのが、海水温です。太平洋の深海の冷たい海水と、表層の暖かい海水の両方の循環が影響していると考えられますが、どんな動きをするのか様々なモデル計算によって検証されるのです。
太平洋の海水は循環していることは、東北大震災の瓦礫がアメリカの西海岸に3年後とか4年後に到達していることから理解できます。そして、そういったスピードで海水が循環しているのです。
太平洋一周もしくは、もっと大きな領域を海流が一周するのに5年とか、それ以上の期間がかかることが、5年とか6年とかでエルニーニョ現象が発生している理由でしょう。
こう考えるのは、地球の海水は、月の引力によって一定周期で変動します。その周期は28日です。一日の動きの満潮干潮も同様です。同じように、5年とか6年周期で影響を及ぼす因子がわかれば、海水温の変動するメカニズムがより理解できるようになるのでしょうね。
まとめ
エルニーニョ現象、ラニーニャ現象について重要なパラメータである海水温について考えてきました。これを引き起こしているのは、海水ですが、これがなぜ5、6年周期で変動するのか理解することはできていません。この変動するメカニズムがわかると、現在わかっていない自然現象の発生が理解できるのかもしれませんね。
より複雑な数値計算が必要になってくるのですよね。